2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
音源フィルタ理論というものがある。 人工的に合成音声を作るための理論であり、 音声というものを、喉頭音源と呼ばれる入力信号に繋がる声道フィルタと、 口唇からの放射特性フィルタの直列接続としてとらえる理論である。 さらに書くと、 喉頭音源の周波数…
発声にもウォーミングアップという概念がある。 いきなりフルボイスで声を出さずに、徐々に喉をあたためてから歌うようにしないさいという意味である。 おそらく誰もが、そのような実感は持っているであろう。 「歌の練習を始めてみたけれど、いっこうに調子…
どのようにして音程が上がるのかを考えてみる。 まず声には、2種類の発声様式がある。 それが、「地声」と「裏声」。 それぞれの発声のメカニズムは異なっていて、これが「声区」の違いを生む。 この声区の境界を、「喚声点」と呼んでいる。 「ベルカント発…
前回記事では、声を後ろに回すということは、喉頭を下げるということと同じと書いた。 しかし、喉頭の動きは、鎖骨に向かって引っ張るのと、耳の後ろに向かって引っ張ること以外に、 背骨側に向かって引っ張る筋肉もある。(輪状咽頭筋) これによって、喉頭…
「声を後ろに回す」という言葉がある。 発声レッスンの中でも、これはおそらくF難度級の技だと思っている人が多いのではないか。 ただ後ろを回せと言われても、何をどうすればそうなるのか誰も分からない。 そのヒントになるのが、「あくびのように」である…
たとえば、ミックスボイスを練習するときには、 ファルセットを出して、そこからできるだけ下まで降ろすようにと書かれていることが多い。 また、母音発声をするときには、「ウ、オ、ア、エ、イ」とか「イ、エ、ア、オ、ウ」と練習するのが普通である。 他に…
ミックスボイスを習得することが、声楽発声の目標と言えるだろう。 それは、ミックスボイスが楽器の音色に近いからではないだろうか。 ただ音を発生させるだけでは楽器とは呼べない。 楽器は、全音階において一定の音色を保ち、 音量を自在に操ることができ…
「肩が上がっている」と言われたことがある。 そこで肩を下げようと試みるのだが、実際に下がっている気はしない。 更に下げようとすると今度は、肩に力が入ってしまうだけだった。 すると、「肩を地面に近づけるように」と言われた。 なるほど、やってみる…
発声練習の時、指導者から「もっと〇○して」という言われ方をすることが多い。 しかし、この「もっと」という言い方に混乱してしまう生徒が多いのではないだろうか。 例えば、「もっと喉の奥を開けて」と言われたとしよう。 本人はすでに最大限開けているつ…
「先生の言うことをちゃんと聞いていない」 「先生の言われた通りにしていない」 だから、正しい発声ができないのだという理屈になる。 「先生の言うことを一生懸命聞いて、そうしようと努力しています」 では、だめなのだ。 それは自分の気持ちでしかない。…