2020-01-01から1年間の記事一覧

お腹が膨らむイメージ

お腹を膨らませるようにして声を出すという指導法がある。 まず、普通に息を吐いてみると、お腹は徐々にしぼんでいく。 今度はもっとリラックスしてゆっくりと息を吐いてみる。 お腹は、しぼんでいるような気もするし、変わっていない気もする。 おそらくお…

リップロールとファルセットの連携

ファルセットに続きリップロールについても考えてみる。 リップロールは、声帯を使わないで唇と息だけで音に変換しているため、 音の高さは息の強さのみで調節することになる。 それに対して発声では、声帯と息の強さで音高を調節している。 言わばリップロ…

脳を書き換える練習

私たちは発声筋群を自由に操ることはできない。 自由に操ることができるのは、目に見える身体の表面の筋肉群だけだろう。 内臓やインナーマッスルは、直接動かすことはできない。 しかし、間接的になら動かす方法がある。 例えば、声帯を閉じろと言われても…

こもった声と深い声

こもっている声と深い声とを混同しているのだと思う。 これを自分の耳で聴き分けるのは難しいのだろう。 日本人に男声オペラ歌手を真似させると、 こもった声を真似る人が多いように思う。 深い発声は簡単に真似できるようなものではなく、 こもった発声なら…

良い声とは何か?

発声練習とは何か? 良い声を作り出す練習。 では、良い声とは何か? 以前は、美しく心地良い声と書いていた。 ならば、「ア」と「イ」ではどちらが美しく心地良い音だろうか? 「ア」の音からは、まろやかで甘美な柔らかさが感じられ、 「イ」の音からは、…

母音唱法とインナーマッスル

母音唱法という練習方法がある。 歌詞を付けて歌う前に、全て母音だけで歌ってみるというやり方だ。 母音で歌えば上手くなるのか? 確かに声の良さは、母音の発声で決まることくらいは分かっている。 子音の発声は、その母音の発声を邪魔するわけだから、 こ…

スライド式空気窓

これまで、こんなイメージを持って発声練習したら上手くいった。 こんな、動きを付けたら高い声が出たということをしてきた。 しかし、もうこれで次回からは万全と思いきや、 一週間後に突然上手くできなくなるときが多々ある。 むしろその繰り返しでこのブ…

「良い声」はセンス

ここで書いている事とは、思い込みというものの排除なのかもしれない。 それほど発声には、難しい、一朝一夕にはできない特別な技術という刷り込みがあるように思う。 その刷り込みこそが、発声の上達を妨げているのではないかと思う。 人間が言葉を獲得する…

球状の声を目指す

前記事に書いたバーチャルサラウンドの話は、 声が後ろから聴こえてくるといっても、 それは必ずしも後に音源があるわけではないということ。 「声を自分の身体から離す」という言い方があるが、 素人は、声がその人の口から出ていることがすぐにわかるが、 …

頭部伝達関数

声は流体ではないが、流体のように感じたいという人間の文化があるのだと思う。 声を流体のように聴かせることが、発声法の目指すところなのかもしれない。 流体のようなとは、「立体的な音+時間軸」が感じられる発声だと考えてみる。 立体的な音とは、サラ…

風のように 水のように

前記事で書いたように、 「直角に折れ曲がった菅」で、喉をイメージすることが身についてきた。 たとえば、自動車の運転中に道路を直角に曲がるとき、 コーナーの外側に膨れてしまうことがあるだろう。 そんなように、声というものが喉の気道を曲がる時、 気…

煙突ではなく、トンネルの喉

プロのテノール歌手の声を聴いて、あのような開放された高音を出したいと誰もが思う。 たしかに「開放された声」のように聴こえる。 発声レッスンでも、喉を開放するような指導がされる。 しかし、そこに落とし穴があるように感じる。 音が上がっていくにつ…

指導者とシンクロする

「首の後ろ側を開いて」 このように、開く、開ける、広げろと言われたとしても、 本当に広げたりしてはいけない。 もし、素人がそうやろうとすれば、 ただ首の後ろの筋肉を固めてしまうだけになってしまうから。 だから、言葉の読み換えをする必要がある。 …

耳を塞いで声を聴く

昨日のラジオ番組で、マインドフルネスの紹介をしていた。 その簡単なやり方として、呼吸法というものがある。 無という瞑想状態になることは難しいので、 とりあえず一つのことに集中することで、 それに近い状態になるのだという。 呼吸をするときに、自分…

我慢する筋肉

高音で声が出なくなる時、「もっと喉を楽にして」と言われる。 そんな時に思うのが、「楽に高音がでるわけがない」である。 高音を出すには、「呼気の速度を上げ、喉頭を下げて、 声帯をしっかりと引っ張らなければならない」と思っているからだ。 だから、…

自分の声を聴く努力

前記事の最後に、「自分の声」を聴くということを書いた。 それは、これまで自分の声が正しく聴けていなかったことでもある。 正しい声の聴き方とは、自分の内部の骨伝導を無視して、 耳の鼓膜だけで聴くことだと思う。 骨伝導を含めた声の方がより良く聞こ…

倉庫の発声2

前記事の続きだが、自分はリップロールが得意であるため、 唇周辺の脱力は以前からできている方だと思っていた。 しかし、今回、本当の脱力を経験したことによって、 他のまだ脱力しきれていない部分も分かるようになったと思う。 今までの脱力は、無理やり…

倉庫で発声

倉庫のように天井が高く広い空間があったので、 そこで声を出してみた。 近隣には人の気配も無く、大きな声を出しても誰に聞かれる心配もない。 そういう空間だと、声が壁から跳ね返ってくるのに時差があるのか、 自分の声がいつも以上にしっかりと聴き取る…