マインドフルネス式

以前、マインドフルネスのことをテレビ番組で紹介していた。

「背骨の上に頭を乗せ、そこからちょっと上に引っ張られるような感じで背筋を伸ばす。

そして、肩を下に押し下げながらお腹で呼吸をしてみてください」

肩を下げると自動的に身体の力が抜けるのだと、インストラクターは言う。

まさに、発声指導同じことが言われている。

 

マインドフルネスは、呼吸法というものを利用して、瞑想状態を得ている。

ならば逆に、瞑想を利用して呼吸法を得ることもできるかもしれない。

まず、人差し指の曲げて、前歯で軽く噛んでみる。

それくらい口を開けた状態で、ゆっくり息を吸ってみる。

指を噛んでいるため、口の中には力が入っていない。

なるべく少量の息をゆっくりと後頭部に向けて吸いながら、

顔全体の力を抜いてゆく。あくまでも瞑想だと考える。

今度は首から下を意識していみる。

おそらく、肋骨は上に広がった状態でキープされ、

その分、お腹は絞られていると思う。

そのハイチェスト状態は保ったまま、細くなったお腹を下げることを考える。

まず、腹筋を緩めること。それでお腹の重心が一つ下がることが実感できる。

それは、不必要な腹筋が外れて内臓が下に落ちることであろう。

わたしたちは知らない間に、お腹に力が入れていたことがわかる。

お腹の重心が下がった時、もう一度、瞑想をを意識する。

その時、喉のポジションも、お腹と同時に下がったことに気づくかもしれない。

今の身体のバランスを瞑想によって感じてみる。

首の位置はどうなっているか?

喉はどうか?胸はどうか?お腹はどうか?

と順に感じてみる。

そして、自分は楽器になってみる。

小さなハミングをやってみる。

それは声ではなく、空気と楽器のこすれ合う音。

自分であることを捨て、楽器という物になる。

他人の前で歌うということから離れて、笑顔をも作らず、気持ちも込めず、歌詞にも酔わず、

ただ、自分がスピーカーにでもなったように身動き一つせず、瞑想してみる。

きっと、正しい呼吸法が得られているに違いない。