最近意識していること

最近意識している練習。

どの母音も、口の奥で発声されていること。

一番やりやすい「ウ」から始めて、「オ」「ア」「エ」「イ」と続ける。

そのとき、「オ」は胸の響きを意識して、「ア」ではマスクへの響きをプラスする。

「ア」は声が前にでるので、「ウ」と反発するためやりにくいが、

それを別々の二つの運動と考えず、一対の反力として捉える。

同様に、上に突き抜ける「イ」と、下に響く「オ」も相反するが、

これら前後上下の方向全てに声が放射されると考えることで、

無駄な意識を遣わずに済ませる。

こうやって足されていった響きは、かなりの大音量になる。

 

音色が整ったら、声の方向を喉から額に向けて、

斜め上45°にまとめるようにしてぶつけてみる。

特に、下降音階はこれを意識しないと、ピッチが下がってしまう。

逆に上昇音階の時は、お腹へと声を引っ張らないと、喉が上がってしまい高音で息が詰まる。

 

次に横隔膜の意識。一定のスピードで下へと押し広げるように動かしてみる。

そして、その動きと声が連動していることを実感する。

なめらかに音階を移動させるには、なめらかなお腹の張りが必要になる。

音階を上げるのは、このお腹の下への引っ張り、つまり「支え」で決まると考える。

 

しっかり開いたて緩んだ喉に、横隔膜からの大量な息が通った証には、

自然なビブラートがかかる。

そうなれば、もはや顔や喉、お腹といった部分的な体性感覚の意識から離れることができる。

そして意識は、ビブラートがかかった、柔らかく、強い圧力の声だけに集中することができる。