イメージと言葉 2
「喉の奥を開ける」、「丹田に力が入る」というのは、
それが上手くいったときに、喉の奥を大量の空気が流れている感じがする。
上手くいったときに、丹田が支えられているように実感できる
というイメージであって、手段ではない。
できるようになって初めて、
「喉を開けようと思っても無駄」、「丹田に力を入れても無駄」
ということがわかる。
そして、それが力を抜くという意味であるということが理解できるのだろう。
だから、発声練習をスポーツ練習のように捉えている間は、
上達しないのではないかと思う。
それでは、いつまでたってもイメージ力を磨く力はつかないのだから。
発声が上手くできるようになるのは、私は偶然だと思う。
だから発声を習熟するには何十年も掛かると言われる。
試行錯誤の回数だと思う。
でも、中には早くできる人もいる。
昔、日テレの「行列のできる法律相談所」という番組で
ジャッキ―・エヴァンコという11歳の小さな女の子が、
ジャンニスキッキを見事に歌いきって、世間を驚かした。
ネットで検索すれば動画が見られるが、とてもこれが11歳の声とは思えない。
私なんかに比べれば、はるかに肺の大きさも、声帯も、共鳴腔も小さいはずだ。
それなのに驚くほどの声量を持っている。
発声は体格でも、練習量でもないことを実感できるだろう。
11歳の子にできることが、大人の私にできないはずがない。
そう考えなければいけないだろう。