舌根を持ち上げてみる

「喉を開ける」というのは、「舌根を下げて、軟口蓋を上げる」ことだと言われている。

それに対して、「口の奥を、真後ろに引っ張る」という指導法もある。

前者が縦方向の引っ張りを意識するなら、後者は前後方向を意識させる。

今度は、新たにこんな表現を見つけた。

 

“軟口蓋は無理に上げず、舌はできるだけ後ろに引き、軟口蓋に近い所に舌根を持ち上げておく。”

 

たとえば、「空気を口の真後ろに当てるように吸い込む」

というのをやってみる。

それがどういう状態にあるのかということを自分でも確認してみた。

驚いたことに、舌根は下がるどころか、持ち上がり、さらに後ろに引かれているではないか。

もしこのポジションが正しいのであれば、舌根を下げるとはどういう意味であったのだろう?

そこで、意図的に舌根を下げてみる。

すると連動して喉仏が下がる。

こんどは舌根を後ろに引いてみた。

すると、喉仏は前に突き出ながら、やや下に下がった。

喉仏が前に出るというのは、喉が太く広がる感覚である。

そして、喉仏の下げ過ぎる必要はないという話からも、

“軟口蓋は無理に上げず、舌はできるだけ後ろに引き、軟口蓋に近い所に舌根を持ち上げておく。”

というのは、より正しい表現をしているのかもしれない。

さらに、軟口蓋と舌根を近づけるというのは、呼気が口に流れるのを妨げ、

鼻腔へと呼気を回すことだと考えると納得がいく。